世界大会で学んだこと①「常にベストな状態であるとは限らない」


静岡県浜松市でスポーツメンタルコーチングをしています。

MIND CORE代表の喜納将克(きな まさかつ)です。

  

今回のテーマは『常にベストな状態であるとは限らないです。

 

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 本ブログは、育成年代のアスリートやご両親に読んでいただきたい内容です。先日、トレーナーの仕事でイギリスの世界大会に参加してきました。その経験の中で気づかされたのは、国内大会とは違って、色々なトラブルやイレギュラーなことがたくさんあり、選手やスタッフはそれに対処しながら大会を戦わなくてはいけない現実でした。

 

 もちろん協会の方や親御さんを巻き込んで、選手達にできる限りいつも通りのプレーができる環境を作ったのですが、海外なので難しい部分もありました。今、オリンピックで戦っている選手達も同様な悩みを持ちながらも、勝敗に言い訳をせず、自分のできることに一生懸命集中しています。その裏側を知っているからこそ、伝えられることがあると思っています。

 

皆様が活躍するヒントになれば幸いです。

 

 

※ブログの感想や質問をいただけると励みになります。皆様のコメントお持ちしております。

 

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常に自分のコンディションがベストにはならない


7月17日〜29日の間、WFDF2024世界ジュニアアルティメット選手権大会にトレーナーとして海外帯同してきました。

U20日本代表のトレーナーとして、中学生から大学生までの選手達とイギリス🇬🇧のバーミンガムという地で戦ってきました。

結果は、過去最高順位の世界6位(参加チーム:15チーム)

 

チーム目標としたベスト4には届きませんでしたが、本大会を通じで選手達の大きな成長を感じた大会でした。

大会期間中は本当に色々なトラブルがあったのですが、選手達が良いチームワークでお互いに支え合って困難を乗り越えていました。

 

そのチームの雰囲気を作った監督・コーチの手腕が良かったのもありますが、選手達が一人一人考えて、行動した結果が世界6位という結果もたらしました。しかし、選手達はまだまだやれたという感覚があり、現状に満足せず次は優勝を目指すと宣言してくれました!彼らの今後の活躍がとても楽しみです!

 

 

そして、この海外帯同は僕自身の夢が叶っていく瞬間でもありました。

理学療法士になりたての2年目の頃、僕には2つの夢がありました。

 

1つ目は、大学院で研究すること

 

2つ目は、海外で活躍する人になることでした。

 

この僕が大人になって2つの夢を叶えたことについては、改めてブログで書きたいと思います。

楽しみにしていてください。

今回、僕が皆さんにシェアしたい内容は、海外帯同をしたことでの気づきです。

今後、日本代表として世界大会に行く選手達や親御さんの何かのヒントになってくれれば幸いです。

 

 

世界で戦う時に知っていて欲しいのは、常に自分のコンディションがベストにはならない事です。

国内で戦っている時は、本当に環境がいいんです。日本はどこに居てもお水が綺麗で、コンビニやスーパーですぐに買い物ができます。街に綺麗なトイレがたくさんあり、食事が美味しい。洗濯もできるので綺麗なユニフォームを着て練習や試合ができます。何より言葉が不自由なくコミュニケーションが取れます。お金が足りなくて困ることもありません。

 

海外で暮らすと、日本での環境が本当に良かったと思えるんです。 

親や兄弟がいて食事や洗濯、車の送迎やお金の工面まで、細かいところまでサポートしてくれます。そして、水や食事も美味しく、水道を回せばどこでもお水が飲める。つまり、選手が競技以外のことを考えずに競技に集中できるということです。

 

 

世界大会ではそうはいきません。まず時差があるので時差ボケに対処しなくてはいけません。飛行機の中で寝る時間を調整する人もいますが、イギリスはフライト時間が長いので到着してから体を動かすことで大会に合わせていきました。飛行機に長時間座って移動した疲れと、時差ボケもあり身体が全く動きません。大会前の調整として練習する時は、走り込みを多くしながら身体が疲労するまで追い込みます。そうしないと試合で身体が動かないんです。

 

 

他にも飲み水を確保することが必須です。水道の水を飲める国もありますが、水が合わなくてお腹を壊してしまうので基本的には飲み水はミネラルウォーターです。食事や宿舎で飲む水に加え、試合で飲む水も自分達で確保します。スーパーを探して、毎日ミネラルウォーターを大量に購入しますので持ち運ぶもの大変です。試合では汗をかくので、水ではなくスポーツドリンクの準備をしなくてはならないのです。これも事前に荷物として持ってきていて、試合会場に作って持っていきます。

 

 

 そして、食事が合わない選手もいます。

イギリスは料理があまり美味しくない😓と聞いていましたが、個人的にお肉やお魚は食べられましたがとても美味しいとは言えませんでした。パリ五輪でも食事の量や質が十分でないとの批判も出ていましたが、世界大会では食事の問題は必ず考えておかなくてはいけません。僕は日本食やカロリーメイト、ウィダインゼリーを持参していましたので、食事が合わない時はそれを食べていました。でも、12日間で体重が4kgも減っていて筋肉量も一緒に落ちてしまいました。トレーナーの僕でさえそうですから、1日2試合をこなす選手達のコンディションはもっと過酷だったと思います。

 

 

他にも、宿舎のシャワーや鍵が壊れている、部屋のタオル交換は1週間に1回、公共トイレが有料など、日本とは文化が全く違う環境なので、日本では考えられない問題がたくさん出てきます。そんな問題に対処しながら世界大会に準備するわけですから、試合のことだけに集中することは選手・スタッフ共に、とても難しいんです。

 

日本代表として世界大会に行くような選手達は、慣れない環境に適応する力💪様々な問題に対処する問題解決能力がすごく高いんです。目標から逆算して何をするべきか、試合に勝つために何をするべきかを常に考えているので、先を見通せる能力が高い選手達が日本代表として活躍しているんですね。

 

調子が悪い中で100%の力を出してきたか?


さて、世界大会では色々な問題が起こるということが多少分かっていただけたと思います。実際は、他にもたくさんの問題が起こっていましたが、色々なレベルの問題を解決し乗り越えながら世界大会に臨んでいきます。

 

国内大会でのコンディションの80%程度しか力を発揮できないのではないでしょうか。

そう考えた時に、国内にいるときに調子が悪い時でも100%の力を出す意識で取り組んでいたか?が重要になります。

1日を振り返った時に、「目標に向かう努力(行動)を選べたか?」「練習や国内合宿で全力を出したのか?」

その積み重ねが本番に生かされて行くんです。

 

 

Be the best, you can be (自分がなりえる最高の自分になれ)

元プロテニスプレーヤーの杉山愛さんの言葉で、僕が大好きな言葉ですが、最高の結果を望むのであれば、相手が誰であれ、環境がどんな場所であれ、『今できる限り最善を尽くしなさい』という意味です。

 

結果が出るには、原因があります。いい結果を出したければ、自分のベストを尽くすことが最短ルートです。

もちろん自分のベストを尽くしても、負けることはあります。それでも『私はベストを尽くした』と思えたら、負けを受け入れ前に進むことができるんです。

 

 

仮に、ベストを尽くさず簡単に優勝したら、あなたは嬉しいでしょうか?

そんなに練習や努力を積み重ねなくても、ラッキーで優勝できたら心から喜べますか?

 

 

あなたが求めているのは、それではないはずです。少なくともMIND COREのブログを読んでくださっている方々は、自分がやり切ったと思える試合をして、自分を成長させた先に得られる世界を知りたいはずです。僕は全てのアスリートが求めているのは、楽に手に入る優勝ではなく、困難や逆境を乗り越えた先に掴むことができる人間としての成長だと思っています。

 

 

この高いレベルの意識を常に忘れずに、練習に取り組んできた選手だからこそ「勝つためにはどうするべきか?」「自分がチームに求められている役割は何なのか?」を考えることができ、自主的に行動していけます。今回のU20日本代表の選手達も、一人一人が自分の役割を理解し、それに徹してくれました。

 

ある選手は声を出してチームメイトを鼓舞し、ある選手は俺に任せろと人一倍走っていました。それぞれがチームのためにベストを尽くしてくれたからこそ、強豪国にも勝つことができ世界6位という素晴らしい結果につながったんだと感じています。

勝敗の責任は自分で取る


どのスポーツをやっても必ず勝敗がつきます。その時に、勝敗の責任を全部自分で背負えるかが、自己成長には欠かせません。例えチームスポーツであっても、自分の事として勝敗を受け止めないとあなたの成長は止まってしまいます。

 

『勝つために自分の最善を尽くせたか?』を毎日振り返って、何か一つでも成長につながる行動を選ぶ努力を続けてください。それが当たり前になった時に、良い結果を引き寄せる人になっていますよ!

 

スポーツメンタルコーチングにご興味がある方は、是非とも体験コーチングにお申し込みください!